カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 east[95]

投稿日:2013年10月31日

零下6度の走行撮影

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2008年12月7日

 12月7日。夜中に目をさました。時間は3時。気温は氷点下8度まで下がっている。外を見ると、ボソボソ雪が降っている。夜明けとともに「民宿宗谷岬」を出発。今日の主役、スズキの125ccスクーター、アドレスV?125Gリミテッドのエンジンをかける。風が強く吹雪の様相。スズキのプロモーションビデオを撮影する中部印刷の杉浦さんは、そんな天気に満足そうだ。
 まずは「民宿宗谷岬」前の国道238号での走行シーンの撮影。夜明けの吹雪の中を走るアドレスを撮るのが一番の目的のようなので、杉浦さんは寒さに震えながらも、思い通りのシーンになったのでニコニコ顔だ。
 国道238号の路面に積もった雪はサラサラのパウダー状なので、思った以上に走れる。そんな雪道を何度となく往復した。
 寒さはまだしも風にはまいった。猛烈な風が西から吹いてくるのだが、追い風の時はアドレスのスピードが出過ぎてしまうし、向かい風になったときは走りにくいことこの上もなかった。
 次に場所を宗谷岬の「日本最北の地碑」に移す。
 夜が明け、気温が上がった。といっても氷点下6度。「日本最北の地碑」の前にアドレスを止め、ヘルメットを脱いだときの寒さといったらない。寒風に吹きさらされ、耳がちぎれんばかりに痛んだ。この耳の痛みは我慢できないほど。おまけに前日の猿払で転倒した胸の痛みをかかえている。耳と胸の痛みのダブルパンチに耐え、ゴーゴーと音をたてて吹きすさぶ風に吹かれながら、撮影用のマイクに向かってカソリ、「アドレスで今、吹雪の宗谷岬に来ています!」と吠えた。
 それにしても耳がこんなにも弱いとは…。
 天気はめまぐるしく変わる。激しく雪が降ってきたと思うまもなく青空が顔をのぞかせ、「あー、よかった」と思うまもなく猛烈な吹雪になる。すさまじい地吹雪。国道238号の路面を激しい勢いで雪が流れていく。
 宗谷岬の「日本最北の地碑」前でのシーンの撮影が終わると、国道の反対側にあるトイレに逃げ込んだ。猛烈な風から一瞬でも逃げられると、ずいぶんと楽になる。一息入れたところで国道238号の電光掲示の温度計、風力計の下を走り抜けるシーンの撮影。気温は氷点下5度、風は風速15メートルから20メートルくらいを表示している。
 早朝の宗谷岬での撮影を終えると、「民宿宗谷岬」に戻った。
 女将さんが作ってくれておいたおにぎりを食べる。
「うま〜い!」
 全部で3個のおにぎり。そのうちのひとつにはたっぷりとウニが入っていた。女将さん、ありがとう!

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夜明けの宗谷岬。ボソボソと雪が降っている
宗谷岬は一面の雪景色


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地吹雪の宗谷岬
宗谷岬の海と空は鉛色だ


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朝食のおにぎりはうまかった!


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